安い理由

フェラーリ348が安い理由は?欠陥や中古価格、選び方のコツ

「フェラーリを手に入れたい」という夢を抱く中で、比較的リーズナブルな価格帯で注目されるフェラーリ348。しかし、なぜ他のモデルに比べて安いのか、その理由を探している方も多いのではないでしょうか。

インターネット上では、348は真っ直ぐ走らない、有名な欠陥車だ、といったネガティブな評価を目にすることもあります。また、そのデザインからテスタロッサと348の違いが気になる方や、後継の360モデナが安い理由と比較して検討したい方もいるでしょう。

この記事では、348tbに特有とされる欠陥やボディ剛性の問題、さらには欠陥車ランキングといった話題の真相に迫ります。一方で、近年では348の中古車価格に値上がりの兆しが見られるのも事実です。特に改良された348後期型は評価が高まっています。

この記事を読めば、348が持つ魅力とリスクの両面を深く理解し、後悔のない選択をするための知識が身につきます。

この記事でわかること

  • フェラーリ348が他のモデルと比較して安い背景

  • 「欠陥車」という評価の真相と具体的な注意点

  • 初期型と後期型の違いや中古車選びのポイント

  • 現在の価格動向と今後の値上がりの可能性

フェラーリ348が安い理由を徹底解説

 

  • テスタロッサと348の違いを比較

  • 360モデナが安い理由から相場を考察

  • 近年348は値上がり傾向にあるのか

  • 348の中古車市場の現状と価格帯

  • 有名な欠陥車という評価は本当か

 

テスタロッサと348の違いを比較

 

フェラーリ348とテスタロッサは、一見するとよく似たデザイン的特徴を持っていますが、その本質は大きく異なります。両車の最も明確な違いは、搭載されるエンジンと車両のクラス分けにあります。テスタロッサがパワフルな12気筒エンジンを搭載した当時のフラッグシップモデルである一方、348はV型8気筒エンジンを積むエントリー・ミッドシップモデルとして開発されました。

デザイン面では、1980年代のフェラーリを象徴するサイドのフィン付きインテークや、リアの水平グリルといったモチーフを共有しています。これは、348がテスタロッサのデザイン言語を受け継ぎ、進化させたモデルであることを示しています。しかし、よく見るとテールランプの形状がテスタロッサの丸型に対して348は角型であるなど、細部で差別化が図られています。

言ってしまえば、348は「ベビー・テスタロッサ」とも呼ばれることがありますが、これはスタイリングの類似性から来る愛称です。車両の骨格構造も異なり、328系までの伝統的な鋼管フレームから、348ではモノコック構造が採用されました。このため、348は新時代のフェラーリV8モデルの礎を築いた一台と位置づけられています。

 

360モデナが安い理由から相場を考察

 

フェラーリ348の価格を考える上で、後継モデルである360モデナの市場価格と比較することは非常に参考になります。360モデナもまた、中古車市場では比較的リーズナブルな価格帯で見つけることができ、その背景には348とは異なる理由が存在します。

360モデナが安い理由の大きな要因は、その生産台数の多さにあります。商業的に大きな成功を収めたモデルであるため、市場に出回っている個体数が多く、需給バランスの観点から価格が安定しやすい傾向にあります。また、F1マチックと呼ばれるセミオートマチックトランスミッション搭載車が多数を占めることも一因です。このF1マチックは、クラッチの摩耗やメンテナンスに相応の費用がかかることから、敬遠するユーザーも少なくなく、結果としてマニュアル車よりも安い価格で取引されています。

一方、348が安い理由は、後述する初期モデルのネガティブな評価や、よりモダンな後継モデルF355や360モデナの登場によって、一時期人気が集中しなかったことに起因します。これらのことから、両モデルが持つ「安さ」の背景は異なり、348の価格を評価する際は、そのモデル固有の歴史的背景を理解することが大切です。

 

近年348は値上がり傾向にあるのか

 

「安いフェラーリ」というイメージが先行しがちな348ですが、近年その市場価値は明らかに上昇傾向にあります。数年前までは1000万円以下でも程度の良い個体を探すことができましたが、現在ではその価格帯で見つけることは困難になりました。この値上がりの背景には、複数の要因が考えられます。

まず、世界的なクラシックカーおよびネオクラシックカー市場の高騰が挙げられます。特に1980年代から90年代にかけて製造された、アナログな操作感が魅力のスポーツカーに人気が集中しており、348もその対象となっています。リトラクタブルヘッドライトや特徴的なサイドフィンを持つスタイリングが再評価されているのです。

また、後継モデルであるF355の価格が急騰し、気軽に手を出せる存在ではなくなったことも影響しています。F355の価格上昇を受け、より手頃なV8フェラーリを求める需要が348へとシフトしている格好です。特に、生産台数が少なく改良が施された後期型のGTBやGTS、そしてマニュアルトランスミッション仕様の個体は、顕著な値上がりを見せています。したがって、348はもはや「ただ安い」のではなく、「価値が上がりつつある狙い目のモデル」へと変化していると言えるでしょう。

 

348の中古車市場の現状と価格帯

 

現在のフェラーリ348の中古車市場を理解することは、購入を検討する上で非常に重要です。2025年現在、日本国内の中古車市場における348の価格帯は、個体の状態やモデルバリエーションによって大きく異なりますが、全体としては1200万円から1800万円程度が中心となっています。

最も流通量が多いのは、初期に生産されたクーペの「tb」とタルガトップの「ts」です。これらのモデルは、比較的価格がこなれている傾向にありますが、コンディションの良い個体は少なくなってきており、価格も上昇しています。走行距離や整備履歴によって価格は大きく変動するため、安価な個体には注意が必要です。

一方、1993年以降に登場した後期型である「GTB(クーペ)」と「GTS(タルガトップ)」は、エンジン出力の向上や足回りの改良が施されているため、前期型よりも高い価格で取引されるのが一般的です。特にマニュアルトランスミッションのGTBは人気が高く、2000万円に迫る価格が付けられることも珍しくありません。フルオープンモデルの「スパイダー」も希少価値から高値安定の傾向にあります。このように、348と一括りにせず、モデルごとの特徴と適正価格を把握することが求められます。

 

有名な欠陥車という評価は本当か

 

フェラーリ348について調べると、「欠陥車」や「失敗作」といった厳しい評価を目にすることがあります。この評価は完全に間違いとは言えないものの、多分に誇張されている側面もあり、その背景を正しく理解する必要があります。

このような評価が生まれた主な理由は、1989年から1992年頃までに生産された初期モデルに、いくつかの弱点が存在したためです。特にハンドリング性能については、限界領域での挙動がピーキーで運転が難しいとされ、当時の自動車ジャーナリストからも批判を受けました。また、電気系統のマイナートラブルや、タイミングベルト交換にエンジン脱着が必要となる高額な維持費も、ネガティブなイメージを助長する一因となりました。

しかし、これらの問題点の多くは、1993年以降の後期型(GTB/GTS)で大幅に改善されています。足回りのセッティングが見直され、ハンドリングは格段に安定しました。つまり、「欠陥車」というレッテルは、主として初期モデルの特性を指していることが多いのです。もちろん、年式相応のメンテナンスは不可欠ですが、適切に整備されてきた個体であれば、348は非常に魅力的なドライビング体験を提供してくれます。

 

構造的問題が348の安い理由なのか

 

  • 欠陥車ランキングにおける348の位置

  • 指摘される348tbの欠陥とは何か

  • 348は真っ直ぐ走らないと言われる点

  • 改善された348後期型の存在

  • 348のボディ剛性は十分なのか

 

欠陥車ランキングにおける348の位置

 

「欠陥車ランキング」という言葉は、しばしば注目を集めますが、公的機関が作成した正式なランキングというものは存在しません。多くの場合、これらは自動車雑誌やウェブサイトが、特定のテーマ(例:維持費が高い、運転が難しいなど)に基づいて独自に作成したリストを指します。フェラーリ348は、こうした「手のかかるスーパーカー」といった趣旨のランキングや特集で、名前が挙がることが時折あります。

なぜ名前が挙がるかと言えば、前述の通り、初期モデルが抱えていたハンドリングの課題や、現代の基準で見ると繊細な電装系、そして高額なメンテナンス費用といった特徴を持つためです。特に、タイミングベルト交換がエンジン脱着を伴う「エンジンアウト」作業であることは、348の維持を語る上で象徴的なトピックとなっています。

しかし、これを「欠陥」と断じるのは早計かもしれません。当時のスーパーカーには、多かれ少なかれ同様の傾向が見られました。348は、そうした1980年代末から90年代初頭のスーパーカーが持つ、じゃじゃ馬的な魅力と表裏一体の弱点を色濃く残しているモデルなのです。したがって、ランキングでの位置づけはあくまで一面的な評価と捉え、その背景にある時代性や文化的価値を理解することが、このクルマと付き合う上で鍵となります。

 

指摘される348tbの欠陥とは何か

 

初期モデルである348tb(およびts)で指摘される「欠陥」とされる点は、いくつかの具体的な技術的課題に集約されます。これらを事前に把握しておくことは、中古車選びで失敗を避けるために不可欠です。

最も有名なのは、やはりハンドリングに関する問題です。初期のサスペンションジオメトリーは、高速走行時や限界付近での安定性に欠けるとされ、運転には高い技術が求められました。この点は後期型で大幅に改善されています。

次に、メンテナンス面での課題が挙げられます。V8エンジンのタイミングベルト交換は、構造上エンジンを車体から降ろす必要があり、多額の費用と時間がかかります。これは設計に起因するもので、避けては通れません。また、当時のイタリア車に共通する弱点として、電気系統のトラブルも散見されます。ヒューズボックスの基盤が熱で劣化しやすかったり、メーター類の警告灯が誤作動を起こしたりするケースは少なくありません。

さらに、内装部品の表面が経年劣化でベタベタになる「内装のベタつき」問題も、この時代のフェラーリやマセラティでよく知られた事象です。これらの点を「欠陥」と捉えるか、「時代の味」として許容し、適切に対策していくかとで、348tbへの評価は大きく変わってくると考えられます。

 

348は真っ直ぐ走らないと言われる点

 

「348は真っ直ぐ走らない」というフレーズは、このモデルのハンドリング特性を揶揄する際にしばしば使われる、象徴的な言葉です。もちろん、物理的に直進できないわけではありませんが、これは初期モデルが持つピーキーで安定性に欠ける操縦性を的確に表現したものです。

この問題の主な原因は、当時のサスペンションのセッティングにありました。特にリアのジオメトリー設定が敏感で、高速コーナーや路面のうねりに対して車体が不安定な挙動を示しやすかったのです。アクセルを不用意に抜くと急激にオーバーステアに陥る(リフトオフ・オーバーステア)傾向も強く、ドライバーには常に緊張感が求められました。この予測しづらい動きが、「真っ直ぐ走っているつもりでも、気が抜けない」という感覚につながり、「真っ直ぐ走らない」という評価を生んだと考えられます。

この挙動は、サーキットのような限界走行時だけではなく、高速道路の巡航など日常的な領域でも顔を出すことがありました。そのため、ドライバーは常に繊細な操作を要求され、これが「運転が難しい」というイメージを定着させました。ただし、この点は後期型で大きく改善されており、全ての348が同様の特性を持つわけではないことを理解しておく必要があります。

 

改善された348後期型の存在

 

フェラーリ348の評価を大きく分けるのが、1993年に登場した後期型、すなわちGTB(クーペ)とGTS(タルガトップ)、そしてスパイダーの存在です。前期型で指摘された多くの課題が、この後期型では見事に改善されており、購入を検討するなら後期型の情報は極めて重要になります。

最大の改良点は、エンジンとシャシーにあります。エンジンはF119H型へと進化し、最高出力は300psから320psへと向上しました。単なるパワーアップだけでなく、マネジメントシステムも見直され、より扱いやすさが増しています。

そして、ハンドリング性能に決定的な影響を与えたのがシャシーの改良です。リアのトレッド(左右のタイヤ間の距離)が約50mm拡大され、サスペンションのジオメトリーも全面的に見直されました。これにより、初期モデルで問題視された高速走行時の不安定な挙動は大幅に抑制され、格段に安定した素直なハンドリング特性を獲得しました。他にもクラッチの改良やバッテリー搭載位置の変更など、細かな改良が積み重ねられています。これらの理由から、後期型は前期型とは走り味が全く異なると言っても過言ではなく、市場での評価や価格が高いのも当然と言えるでしょう。

 

348のボディ剛性は十分なのか

 

フェラーリ348のボディ剛性については、その構造の進化と時代の制約という二つの側面から考える必要があります。348は、328GTB/GTSまでの伝統的なチューブラーフレーム構造を捨て、V8モデルとして初めてセミモノコック構造を採用した、フェラーリにとって画期的なモデルでした。

モノコック構造の採用は、それ以前のモデルと比較して剛性向上と生産効率の改善に大きく貢献しました。これにより、より正確なサスペンションの動きを実現し、ハンドリング性能の基礎を築いたと言えます。しかし、現代の基準、あるいは直後の後継モデルであるF355と比較すると、その剛性は十分とは言えません。

特に、タルガトップのtsやGTS、フルオープンのスパイダーでは、ルーフ部分の剛性がクーペ(tb/GTB)に比べて劣るため、路面の悪い場所を走行した際にボディのねじれを感じることがあります。これが、きしみ音の原因になったり、ハンドリングに微妙な曖昧さを生んだりする要因ともなります。要するに、348の剛性は、登場した当時は先進的でしたが、その後の技術革新の中で相対的に見劣りするようになった、と捉えるのが適切です。この過渡期ならではの特性も、348というクルマを理解する上での一つの面白さと言えるかもしれません。

 

総括:348が安い理由と選び方

 

  • 348が安価なのは初期モデルの挑戦的な特性と評価に起因する

  • テスタロッサとはデザインを共有するもV8のエントリーモデルという違いがある

  • 後継の360モデナの安さとは背景が異なり生産台数や機構が影響

  • 近年348の価値は再評価され中古車価格は全体的に値上がり傾向

  • 「欠陥車」という評価は主に前期型のピーキーな操縦性を指す

  • 正式な欠陥車ランキングは存在せず手のかかる旧車の代表例として語られる

  • 前期型tbの弱点はハンドリング、高額な整備、電気系統に集中

  • 「真っ直ぐ走らない」とは初期型の不安定な挙動を表す象徴的な言葉

  • 1993年以降の後期型(GTB/GTS)は走りの課題が大幅に改善されている

  • 後期型はエンジン出力向上と足回りの改良で非常に評価が高い

  • ボディ剛性は当時としては進歩的だが現代の基準では十分とは言えない

  • 購入時は整備履歴、特にタイミングベルトの交換履歴が最重要

  • 内装のベタつきは定番のトラブルだがリペアサービスも存在する

  • 予算が許すなら、走りの安定性と資産価値から後期型が推奨される

  • 安い個体には理由があるため信頼できる専門店での購入が後悔を避ける鍵

-安い理由